島の時間 bｅ

なにげに笑っているような顔つきです。
思わずカメラをかまえたら、寄ってきました。
ひっくりかえしてみると、お腹はセマルハコガメとかと違います。
やがて、ギューっと首を伸ばして起用に体をいれかえ、
亀はゆっくりと田んぼの方に帰っていきました。



お家の管理会社の方から、顛末をきいたのは後日のこと。
あの日僕のベランダに現れた謎の亀は、
その後、隣の隣の隣のベランダに移動、そこで捕獲され、
前代未聞の迷い亀として届けられたそうです。
管理会社が住民・近隣に呼びかけるも、飼い主は見つからず。
結局、自然にかえそうということになり、
平田原水田に放してやったというのです。
「スマオさんが見たのって、あの亀本人じゃないでしょうか？」
「まさか」
「いや、きっと『元気だよー』と言いたかったんですよ」

真偽のほどはわかりません。
でも、もしそうだとしたら、悪戯にひっくりかえしたりせずに、
僕も元気だよ、と話してあげるべきでした。
まあ、やつはだいたいわかっているのかもしれませんが。