2006年03月18日

写真係より

写真係より

この春、僕の役割が決まりました。
商工アルプスの写真係です!
といっても、自分で勝手に決めただけなのですが、
小学校のクラスで給食係に任命されたようなうれしさがあります。
撮った写真は、島に寄贈される予定です。

真っ赤なデイゴの咲く小径 写真係より

僕は商工がある島に、ちょっとだけお世話になりました。
あれこれたすけてくれる友人もあり、幸運でした。
海に入って、飲んで、笑って。気楽でたのしい毎日。
もともとしばらくのんびりするつもりでいたので、
旅人でも仕事をするでもなく、島にとってはボウフラのような存在でした。
やっかいな使命も、役割もありません。
ひろい世界で自分にしかできないことがあるであろうことも、
忘れるほど疲れがたまっていたのもたしかでした。

そんな僕に、友人が中古のカメラを用意してくれたのは、単なる偶然でしょうか。
おまえの好きな場所を撮ってみろ、と。
僕は、写真なんて撮ったことがありません。
でも、今のカメラはよくできていて、ほんと、シャッターを押すだけ。
僕は夢中になって、あちこち撮り歩きました。
けれど、あるとき、何か足りないことに気づきました。
どの写真もそれなりにきれいなのですが、
決定的な何かが欠けているかんじなのです。
人の目は心を持っているので、見たものをおのずと補正してとらえるそうです。
写真はほんとにそのままを残します。
それをつなぐには、きっと何かが必要なのでしょう。

商工の練習を見たのは、そんな頃でした。
正確には、見ていません。
たまたまグランドの前を通りがかっただけです。
ふと足をとめたのも、いま思えば不思議です。
曇りで、南の島にも冬が来ることを予感させるような低い空。
そこに、声というか息づかいのようなものが、遠く遠く響いていました。
ご父兄方が一緒だということもわかりました。
あの北谷球場での秋季大会敗退以来、商工の話題をさけてさえいましたが、
ごくごくあたりまえに、修練の日々はつづいていたのです。
まだすこしだけど、島の空がそれを受け入れているようでした。
人の姿はひとりも見えないのに、抱くように空が教えてくれています。

ああ、こういうことなんだ・・・

すごく楽になりました。
うまく言えないのですが、ほんとにすっと、
足りなかったものが見えてきた気がしました。
翌日、僕は思い切って島を出ることを決め、
中古カメラをぶらさげてまたあちこち歩きはじめました。
ここに掲載している写真の多くは、そのときのものです。

応援団の写真係といっても、
いまだに足りないところだらけで、めったに人を撮ることもないので、
実はどうしたらいいのか見当はついていません。
それでも、僕にしか撮れないアルプスがあるように思います。
報道写真でも芸術写真でもない、空気の記録ができたらうれしいです。

なんだか・・・よくわからない話になってしまいました(笑)
ひとまず、開幕に向けてナインが風邪などひかぬよう、
これ以上寒くならないことを願って、
いまからちょこっと飲んできます。

では、また。どこかで。


同じカテゴリー(八商工)の記事
今夏
今夏(2007-07-02 15:58)

スターティングデイ
スターティングデイ(2007-03-02 14:44)


Posted by sumao at 18:21│Comments(0)八商工
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。