島の時間 bｅ

魂の逆転でつかんだ松代（長野）戦、まちわびた中四日、
またしてもかけがえのない一戦となりました。
晴天の下、アルプスになくてはならない面々が結集。
今まで見たことがないほどの人、人、人！
二時間前からチケットは完売。
内野席から外野席におよんだ大応援団を、島人の宝が鼓舞。
対する松代・青雲のアルプスにエールをおくり、試合開始。
先発は大方の予想に反して二年生・当山。
ハツラツとした投球にアルプスは大いにわきました。
ピンチを迎えた重要な場面で、マウンドにナガヤス。
ところが、突然やってきたはげしい雨に、試合は中断されてしまいます。

当日、愛知からやってきた二人の若者がありました。
故郷の代表を応援しようと朝からならんでアルプスに入ったものの、この雨。
泣く泣く球場を後にしますが、梅田駅まで来て、試合が再開されたことを知ります。
オレが行かなければ勝てない！
あわてて甲子園球場までひきかえしたそうです。
で、驚いた。
アルプスは依然として満員、ずぶ濡れのまま大声をおくっています。
誰もかえらなかったのか・・・
次の瞬間、みんなが待っていたナガヤスの一発。
それは夜空に大きな放物線を描いて、バックスクリーンへ。
歓喜にわくアルプスで、彼ら二人はたちつくし、泣いていました。
言葉にならないあたたかいものが、体を満たしたそうです。



試合中断、およそ五十分。
甲子園をたたく雨、アルプスに心配がよぎりました。
万が一、再試合になれば、石垣からきた700名の応援団は、
帰りの便の関係で、次の試合を応援することはできません。
だから、なんとかやんでほしいと誰もが願いました。
そして、どこからともなくきこえてきた唄。
安里屋節、島で歌い継がれてきた民謡です。
ひとり、またひとり、やさしい唄がひろがって…
やがて起こった「晴れろ」コール。
黒装束の応援団が前に出て、雨をふきとばす校歌。
誰もがずぶ濡れだけれど、あきらめていません。
ワッショイワッショイと天に祈るアルプスがありました。

苦しいときこそあかるく唄って越えてきた、
この島の唄が、
今日の真っ赤なデイゴです。



次なる挑戦は、第11日（8／16水曜予定）、打の強豪・智弁和歌山。
あなたの場所から、声援よろしく。
かならず、届きます！